【米国株】経済指標・決算スケジュールと展望(2022/10/10-14)
米国経済指標カレンダー
図1 主な経済指標カレンダー(2022/10/10-14)*1
米国決算カレンダー
図2 主な決算カレンダー(2022/10/10-14)*2
銀行を始めとする金融銘柄を皮切りに、Q3の決算シーズンが本格始動します。上記の他には、13日にTSMC(台湾セミコンダクター)の決算があります。
注目点
金融銘柄
銀行を始めとする金融銘柄を皮切りに、Q3の決算シーズンが本格始動します。銀行、金融業界では、雇用が削減されていることが、先日の雇用統計から明らかになったため、決算の内容に加えて、今後の見通しについてもかなりネガティブな決算になることが懸念されます。主な、銘柄のコンセンサスは以下のようになっています。
図 JPMの決算コンセンサス・過去決算*3
図 WFCの決算コンセンサス・過去決算*3
図 MSの決算コンセンサス・過去決算*3
図 ブラックロックの決算コンセンサス・過去決算*3
半導体銘柄
13日にTSMC(台湾セミコンダクター)の決算があるため、半導体銘柄ホルダーには注目の決算となります。また、すでに利益警告を出しているAMDや、Q2の決算で利益警告を出したNVDAなど、ゲームやPC需要が中国を中心に減速しているため、半導体業界は厳しい決算が強いられる可能性が高いと考えます。
図 台湾セミコンダクタのコンセンサス・過去決算*3
生活必需品銘柄
生活必需品はペプシコ(PEP)、ウォルグリーン(WBA)の決算があります。ペプシコは食品飲料メーカであり、スナック菓子やシリアルなどを製造している企業です。直近では、トウモロコシなどのコモディティ価格が下落してきていることから、仕入れ価格が減少しており、今回の決算も強いものになると予想される。対照的に小売薬局の大手であるウォルグリーンは、前回の決算よりもさらに利益が圧迫されることが予想されており、予想を超えてもかなり厳しい決算となりそうです。
図 ペプシコのコンセンサス・過去決算*3
図 ウォルグリーンのコンセンサス・過去決算*3
飲食・レジャー銘柄
飲食・レジャー銘柄としては、ドミノピザ(DPZ)、デルタ航空(DAL)の決算があります。ドミノピザはコロナ禍で非常に業績が好調出会った昨年に比べて、今年は特需がなくなっているので前年比では厳しい決算になることが予想されます。仕入れコストは下落しているますが、人件費が高騰していることから、利益を十分に残せているのかが注目です。本銘柄の決算が、今後のレストラン銘柄の決算を占うことになりそうです。
デルタ航空は、米国での予約が好調であるため、昨年比では売上、利益共に強いコンセンサスとなっている。今回の懸念てんはQ3の原油価格が非常に高かったため、売上に比例して利益が残せているのかが懸念されます。
図 ドミノピザのコンセンサス・過去決算*3
図 デルタ航空のコンセンサス・過去決算*3
ヘルスケア銘柄
ユナイテッドヘルス(UNH)は、ヘルスケア製品と医療保険サービスを提供している企業です。ヘルスケアセクターは生活の中での優先度が高いことから、不況下でも需要が滞りにくく、賃上げやインフレの影響を受けにくいとされています。そのため、今回の決算も前回同様強いことが予想できます。
図 ユナイテッドヘルスのコンセンサス・過去決算*3
決算の見通し
好調:ユナイテッドヘルス、ペプシコ
不調:金融銘柄、ウォルグリーン
絶不調:台湾セミコンダクタ
不明:ドミノピザ、デルタ航空
ユナイテッドヘルスは安定した需要があり、ペプシコは仕入れ原価が下がっているため好調を予想する。
金融銘柄は金利が逆イールドであり、株価も下落しているため融資も、証券も利益を残すのは難しいと予想し、ウォルグリーンはコンセンサスが既に非常に厳しい。
半導体銘柄は、NVDA、AMDが大幅な利益傾向をおこなっており、これら2つの企業が最もお得意様である台湾セミコンダクタの利益も非常に厳しいものになると予想する。今後の見通しも、米中が半導体輸出に制限をかけるなどマイナス要素の方が大きく見通しも暗いと予想します。
ドミノピザに関しては、仕入れコストの低下と人件費の高騰が同時にきているため、需要は旺盛で売上は上がると思いますが、利益は圧迫される可能性があります。また、昨年度はコロナ禍の恩恵を受け非常に売上が良かったことも、今回決算が厳しく見える原因になるでしょう。
デルタ航空は、予約状況は非常によく、売上はかなり期待できますが、こちらも人件費の高騰や、Q3の原油は下落傾向であったが、非常に高いところからスタートしていたため、利益が残せるのかは予測するのが難しいと考察しています。
参考資料
*1 経済指標カレンダー - Investing.com 日本