ひこぐまの節約・資産運用ブログ

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【米国経済】雇用統計は強い!米国経済は未だ健全!

2022/10/7の米国市場が閉まりました。

いくつか経済指標の発表がありましたので、考察して行きます。

 

【目次】

 

雇用統計

 雇用統計についての詳細、注目点についてはこちらの記事をご参照ください。

kyoumi-ari.hatenablog.com

 雇用統計の中で最も注目度が高い、非農業部門雇用者数、失業率、平均時給について確認してきましょう。

非農業部門雇用者数

 コンセンサス、結果を見て行きましょう。

図1 非農業部門雇用者数(2022/10/7 発表分)*1

 

 非農業部門雇用者数は予想を上回り、米国経済は未だ労働市場がタイトであることが示されました。以下は、非農業部門雇用者数の過去チャートです。

図2 非農業部門雇用者数過去1年チャート(2022/10/7現在)*1

 

 雇用者数は予想を上回りましたが、昨年11月頃から右肩下がりの下落トレンドは継続していることが確認できます。

 しかし、新型コロナウイルス禍で労働市場が混乱する前の2010~19年は平均18万人だったので、労働市場は徐々に弱まりつつありますが、予想しているほど下落していないと言う状況です。

 雇用者数の増加が下落傾向にあることは株価にはプラスですが、予想を超えたということで、市場からは嫌気されているようです。

 

失業率

 コンセンサスと結果を見て行きましょう。

図3 米国失業率(2022/10/7発表)*2

 

 失業率は予想を上回り、米国労働市場はタイトであることが示されました。以下は、失業率の過去チャートです。

図4 米国失業率過去チャート(2022/10/7現在)*2

 

 失業率は予想を上回り、先月の3.7%から再び3.5%に戻ってしまいました。今回の雇用統計で一番嫌気されたのはこの指標であったと考察します。企業の求人数は減少しているますが、根底には、人手不足の状態が継続していることが挙げられるとめ、FRBは需要を抑制することを優先することが考えられます。

 

平均時給

 コンセンサスと結果を見て行きましょう。

図5 米国平均時給月次(2022/10/7発表)*3

図6 米国平均時給年次(2022/10/7発表)*4

 

 米国平均時給は、前月比では予想に一致、前年比では予想を下回り、平均時給の伸びは前月から変わらず賃金インフレの加速は見られませんでした。以下は過去5年分の平均時給の伸びをチャート化したものです。

図7 米国平均時給月次過去チャート(2022/10/7現在)*3

図8 米国平均時給月次過去チャート(2022/10/7現在)*4

 

 前月比で比較した場合、毎月コンスタントに0.3-0.6%程度の上昇が継続していることがわかります。FRBが目標とする物価上昇ペースは年間2〜3%なので、月次では0.2%程度になることが望ましいです。まだ、賃金上昇のペースは早いと言えます。

 前年比で比較したチャートは、今年の1月頃から徐々に下落しており、徐々にではありますが、賃金上昇は収まりつつあるようです。ただし、コロナショック前は2~3%で推移していたことを考えると、高止まりは継続しており、下落のスピードも意図したほど早くないと言えます。

 このように、賃金上昇は加速こそしていないものの、高止まりしており、前月比でも0.3%と引き続き高いため、収束にはまだ時間がかかることが予想されます。

米国債金利

 米国の国債利回りは以下の通りです。依然として、2年債と10年債は逆イールド状態です。3ヶ月債はまだ逆イールドにはなっていませんので、景気後退はまだ先になりそうです。

図7 米国債イールドカーブ

 10年債利回りについては以下のように、雇用統計発表後は一時3.9%を超えるタイミングがありました。

図8 米国10年債券利回り

 先日の高値3.8%を上抜けしたため、今後は直近最高値である4.0%を目指して上昇すると考えます。4.0%を超えていくかは、来週のCPI(消費者物価指数)次第になると考えます。

 

株価とバリュエーション

 米株式市場は、雇用統計の結果を受けて大きく下落しています。詳細はこちらの記事を参照してください。

kyoumi-ari.hatenablog.com

 

まとめ

 昨日の経済指標についてのまとめは以下の通りです。

非農業部門雇用者数

 雇用者数は予想を上回りましたが、雇用の増加速度は減速傾向です。雇用者の減少にはもう少し時間がかかりそう。雇用者数が減速していることは株価にはプラス。

失業率

 失業率は予想を下回り、先月より下落しました。失業率の下落トレンドは継続中。株価にはマイナス。

平均時給

 平均時給は年次で予想を下回りましたが、月次では予想通り。伸び率は0.3%の伸びなので上昇の勢いは高止まり。平均時給上昇は鈍化傾向にあるためそこは株価にはプラス。

米国債金利

 10年債券利回りは再び4.0%を目指す展開です。金利の上昇は株価にはマイナス。2年債券利回りは4.31%と年末の金利予想である4.25-4.50%に収まり、上値は限定的と考える。

参考資料

*1 米国 非農業部門雇用者数

*2 米国 失業率

*3 米国 平均時給 (前月比)

*4 米国平均時給(前年比)